生まれ落ちた日

とある年

春の雪がふる午前2:08分

私は呼吸を始めた。

未熟児で生まれそのまま保育器へ

 

きっと私は生まれない命だったのだと思う

なんとなく、私はそれを知っている

ただ強く強く母が望んだので

私は生まれることにした。

今じゃないと死ぬと思ったから

1ヶ月早く呼吸を始めた

 

子供の頃から

あんまり誕生日が好きではなくて

ある年の誕生日

とっても辛いことが起きて以来

それは自分のせいだったんだという呪い

誕生日にはいい事がないという呪いに取り憑かれて

はっきりと自分の誕生日が嫌いになった

何でもないただの日常

365日のうちのただの1日

 

ただ、両親へ感謝をする日

 

1つ傷を負う

いつしかその傷は癒えると思いきや

傷跡は残っていて

同じ痛みを背負った時

さらに深く傷を残す

そして消えなくなる

どんどん痛さは増す

癒えることの無い痛みになる

 

自分の誕生日に

自分を消し去りたくなる

なんと愉快なことだろう

産まれた日に

生まれなかった事にしたくなるなんて

 

ただ

両親への感謝だけが私を生かしている

言葉の通り

両親が私を生かした

 

両親へ

あたしを生かしてくれて

望んでくれて

愛をくれてありがとう